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千分の一話噺

第401章 彼氏がトトロ?


「ゴメン、別れてくれ」
彼からの急な別れ話。
私には別れる理由が分からなかった。
付き合い始めて一年、お互い趣味も食べ物も笑いのツボも合ってると思っていた。
アラサーの私は結婚も意識していたのに…。
「どうしても故郷に戻らないといけなくなったんだ
残念だが、君を連れては行けない…」
そう言えば、彼の故郷の事は聞いた事がない。
「何で私は行けないの?」
「君には本当にすまないと思ってる
けど、僕の故郷では君は…」
彼はそれ以上何も言わなかった。
「どんな場所でもあなたとなら大丈夫よ!」

しばらく沈黙が続いた。

「分かった…
でも、少し時間をくれ」
そう言い残し彼は帰って行った。
残された私は呆然とするだけ…。


数日後、彼からメールが着た。
『君に本当の僕を見てもらいたい
それでも一緒に来たいと言うなら一緒に行こう
零時に迎えに行くよ』

本当の彼?、私の知らない彼…?。
何の事か分からないけど、彼が来るのを心待ちにした。

コン、コン…

零時になってドアがノックされた。
外に出ると彼はいなかった。
「何処?」
「ここだよ」
声は上の方からした。
「えっ!?」
彼は宙に浮いていた。
「僕はトトロ星人なんだ」
そう言うと彼は、あのトトロになった。
私は目を疑った。
「これでも一緒に来るのかい?」
「…私、トトロ大好きよ!」
地球に未練がないとは言わないけど、彼となら何処でも大丈夫よ。


end

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