第399章 異世界アパート2
せっかくのゴールデンウィークだと言うのに、世の中はすっかり『ステイホーム』が定着している。
「さて準備はこれで良いかな?
せっかくのゴールデンウィークだし、いろいろ試してみたいな…」
私が引っ越したアパートは、何故か玄関の明け方次第で異世界に繋がる不思議なアパートだった。
私は玄関ドアを開ける…、そこは異世界。
何度か来てるから少し慣れたかも…。
異世界に来てる間は元の世界の時間は進まないみたい。
しかし元の世界にいる間、異世界は一日経ってる様だ。
異世界の家の入り方も分かった。
玄関に元の世界用と異世界用と、別々の鍵穴がある。
異世界用で開ければ異世界の家の中で生活が出来るのだ。
「あっ、アヤコ!」
お隣さんのナタリーが声を掛けてきた。
「こんにちは、ナタリー」
もうすっかり仲良くなった。
「これ私の国のお菓子なんだ
一緒にどう?」
私はチョコやポテチをナタリーに見せた。
「うわぁ~美味しそうね
それじゃあ、私はお茶をいれるわね」
ナタリーのお茶は格別に美味しい。
こっちの世界はまだ冬で一面の銀世界。
でも、もうすぐ春になるって事はナタリーに聞いた。
服が違うから、買い物に出掛け様と思ったけど、こっちのお金がない。
ナタリーに相談してみた。
「何か私でも出来る仕事ってないかな?」
「…仕事?」
ナタリーは不思議そうに首を傾げた。
「そう、引っ越ししたらお金無くなっちゃって…」「なんだ、それなら私のお店で働かない?」
「ナタリーのお店?」
ナタリーは城の近くにパブの様な食事とお酒を出すお店をやっているそうだ。
「私で大丈夫かな?」
「アヤコなら店の人気も上がるわ!」
すぐに働く事になった。
一日働いて銀貨一枚、日本円で五千円くらいの買い物が出来る。
20日働いて金貨二枚、約十万円になった。
家賃がないから、これで十分生活が出来る。
ゴールデンウィークの間はあっちの世界とこっちの世界を行ったり来たりの『ステイホーム』をしている。
end