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千分の一話噺

第385章 アイドル


久しぶりの休日。
俺が趣味の車を整備していたら、親友の誠がやって来た。
「よう、また車弄ってるのか?」
誠も車好きではある。
「誠の車もたまには整備してやれよ」
誠は苦笑いしていた。

「しかし、何だな…
お前、車の他に目が行かないのか?」
「なんの事だ?」
俺は誠の言葉に首を傾げた。
「これだよ、これ!」
「これ?」
誠はスマホの画面を俺に見せた。
画面には、どう見ても芸能人らしき美少女が映っている。
「今をときめくスーパーアイドル、姫野アリスちゃんだ!」
これでもかというドヤ顔をしてみせた。
しかし、俺は…。
「姫野…アリス?誰それ?」
誠はガックリと肩を落とす。
「お前、それでも男か?
アリスちゃんと言えば、全男性の憧れの的だぞ
テレビやネットで大人気じゃないか!?」
「…知らない」
誠の熱に対して俺は素っ気なく答えた。

「ウソ!?」
どこからともなく女性の声が響いた。
「ア、アリスちゃん!?何でここに!?」
声がした方を見ると誠が声を裏返して叫んだ。
確かにスマホの画像と同じ美少女がこちらを睨んでいた。
「本当に…、本当に私の事知らないの!?」
鬼気迫る表情で迫ってきた。
「あぁ…たぶん見たことないな
テレビやネットはほとんど見てないから…」
誠はオロオロしているが、俺は特に気にせず車の整備に戻った。

何故、姫野アリスがここにいるのか?は知らないが俺には何の興味もなかった。
誠は大はしゃぎして一緒に写真を撮っているが、俺には何が良いのか?首を捻るだけだ。


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