第384章 遺跡調査
俺達は、とある島の遺跡を調べていた。
この島には、遥か昔に人類が住んでいたと云われている。
もちろん、そんな島は今現在珍しくもない。
世界は約千年前に一度滅んでいるからだ。
極僅かに残った人類が再び文明的になるまでに、数百年の年月が掛かった。
何故世界は滅んだのか?記録も何もないため言い伝えでしかないが、それも地域毎に内容が違う。
ある地域では世界大戦が起こったと云われ、ある地域では未知のウィルスが蔓延したと云われ、またある地域では地球規模の災害が起こったと云われている。
どんな現象が起こったにしろ、それまでの文明は全て失われた。
残った人類は住みやすい地域に自然と集まり、新たな生活基盤が生まれ国に発展していく。
国が安定し、順調に発展していくと過去の遺産を調べる研究も始まった。
俺達は陸地と島を何度も行き来し海図を作りながら、更に先の島を目指し、この大きな島にたどり着いた。
島に上陸してすぐに目についたのは、巨大な四角い箱の様な建築物だ。
「これはビルディングと呼ばれた大型の住居だと思います」
考古学の先生が興味津々に眺めていた。
かなり崩れているが、俺達が今住んでいる住居とは全然形が違う。
「何か味気ねえ家だな」
「人類が増えすぎて、土地を効率的に活用するためにこんな風に四角くし上に上に伸ばしたと言われています」
今となっては瓦礫の山だが、当時は人が溢れていたのだろう。
「先生、こんな物が…」
隊員の一人が一枚の絵を見つけた。
「花?に見えますね」
「これは文字ですか?」
その絵の端には見たことのない文字が書かれていた。
『さくらさく』
end