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千分の一話噺

第381章 出店


縁日、それは正に仁義なき戦いの場。

そう、うちの近所の神社で行われる縁日は何故か名店ばかりが出店する激戦区。
今年も話題の店が軒を並べている。

「まずはタピるか?」
いまだに人気のタピオカドリンク店が、入り口付近に二軒向かい合って陣取っている。
呼び込み同士で火花バチバチだ。

「凄いね、ライバル店同士が向かい合ってるわよ」
彼女は半分呆れる様に見ていた。
端から見たらあり得ない状況だ。

俺達は、境内を見て回った。
それなりに広い境内には、縁日に似合いの綿菓子やお面や金魚すくいもある。
「しかし、本当にここの縁日って凄いよな」
他にも行列必至のラーメン屋、予約が一年待ちのフレンチ、世界一のピッツァ職人の店、有名ケーキ店も数店…。
「いくら商売の神様だからって、普通、こんな名店ばかり集まらないわよ…
次は何食べる?」
彼女の食欲に火が点いてしまった様だ。
「…しょうがなねぇなぁ」
俺の直感がある店に足を止めさせた。

『焼き立てシュークリームの店』

魅惑の立て看板に、鼻をくすぐる甘い香り…。
「ねぇ焼き立てだって!」
彼女はすぐに興味を示した。
早速、買って食べてみた。
「スッゴく美味しい♪
…ここパン屋なんだ?こんなお店あったんだね」
彼女は気に入って、店員に店の場所を聞いていた。
「へぇー、意外と近いんだな」

その店の名は…。


『パン de ミック』


いろんな意味で今、話題沸騰中!



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