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千分の一話噺

第371章 バレンタイン殺人事件


ある店で男性が死んだ。
毒殺だった。
その男性、田中和也と一緒に来ていた友人五人の男女…。

「今のところ、店の料理から毒物は検出されなかったそうです
あなたたち五人と彼はどういった関係ですか?」
刑事の言葉に四人が一人の女性を見た。
「わ、私が知也を殺す訳ないじゃない!」
彼女は死んだ田中の恋人の木村祥子だ。

「この店でアルバイトしてるし、お前が持ってきたチョコを食べた後に倒れただろ!」
「チョコなら、みんなも食べたじゃない!」

バレンタインと言う事もあり、木村は手作りチョコレートを持ってきていた。
「みんなも知ってると思うが俺はチョコが苦手だ
もちろん祥子の気持ちは受け取るが、食べるのは手伝ってくれ」
木村も承知して、田中は苦笑いで一人一人にチョコレートを配った。
つまり全てに毒が入っていたら全員死んでいた事になる。
毒入りが一つなら田中が毒入りを食べる確率は1/6、木村が食べる確率も同じ。

「まぁ、チョコじゃなさそうだな
皆さん、チョコを食べた後は?」
「みんなでここのタピオカドリンクを飲んだよ」
刑事はその言葉にピンと来た。
「鑑識さん、タピオカドリンクに毒は?」
「いいえ」
「なら…ストローには?」
「はぁ?…ストロー?ですか?」
「あの太いストローの内側に毒を塗る事は可能でしょう」
「はっ!すぐに調べます!」

結果は刑事の推理通り、ストローの内側に青酸カリが塗られていた。
犯人は店の店員だった。
アルバイトにきていた木村をストーカーしていて、恋人の田中を邪魔に思っていたと言う。


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