• テキストサイズ

千分の一話噺

第368章 異空間


初詣。
ちょっと足を伸ばして大きい神社へ向かった。
寒いし近い小さな神社でもよかったんだけど…。

「ん?珍しく空いてるのか?」
毎年行列が出来ているはずの神社なのに人がいない。
否、正確には境内に人がいないと言った方が合っている。
何故か神社の周りは人で賑わっていたが、誰も中に入らない。
まるで、そこに神社が無いように素通りしている。
俺は首を傾げながら鳥居を潜った。

境内は別にいつもと変わらない。
手水舍で清め、お参りをしようとしたら、神主らしき人に呼び止められた。
「よく入って来られましたね
今日のお参りは止めた方がよろしいかと…」
「えっ?なんで…」
神主にお参りを止められるとは思ってもみなかった。
(この誰もいない境内に関係があるのか?)
「…どうやって境内に入って来ました?」
神主の後ろにいた巫女が尋ねた。
「えっ?どうって…、普通に入れたけど?」
俺が答えると、神主と巫女がひそひそ話を始めた。

「入ってしまった以上、仕方ありませんね
こちらへどうぞ」
神主と神社の中へ入った。

「こ…、これは!?」
正直、目を疑った。
社の中には何も無かった。
ただ、白く輝く果てしない空間が広がっているだけ…。

「ここに神などいません」
巫女の言葉が響いた。



end
/ 1580ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp