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千分の一話噺

第364章 ゲームを開けば…


「さてと、今年初のゲームといくか…」

正月のテレビ番組は毎年どれも代わり映えしないし、しかも差して面白くもない。

今やっているゲームは昔のRPG。
最近の様なCGを使ったリアルな絵じゃない、ドット絵のゲームだ。

「あれ?年末に何処までやったっけな?」
電源を入れ、メニューからコンティニュを選ぶ。

「なっ!」

ゲーム画面に変わると、キャラクターが画面から飛び出てきた。
俺は何度も瞬きしたり目を擦ったりしたが、明らかにテレビ画面の前でキャラクターが動いている。

「…何?…これ?」

俺の目の前でキャラクターとモンスターが戦い出した。
俺の部屋の中をキャラクターが縦横無尽に走り回る。
モンスターは羽根を羽ばたかせ、部屋中を飛び回った。

「シャーッ!」
「ギガスマッシュ!」
「ギャーッ!」

モンスターの攻撃を盾で受け流すと、キャラクターの必殺技が俺のテーブルの上で炸裂し、モンスターは息絶えた。
「やった~っ!」
思わず叫んでしまった。

キャラクターは剣を収めると俺に頭を下げそのままテレビ画面に戻って行った。
しばらく画面を見詰めていたが、二度とキャラクターは出て来なかった。

「…はっ…夢?…だったのか?」

俺は改めてゲームの電源を入れ直し、コンティニュを選んだ。



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