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千分の一話噺

第358章 お鍋


「ねぇママ、オセイボってサンタさんからのプレゼントなの?」

最近、言葉に興味を持ち始めた娘が、どこかで「お歳暮」って言葉を聞いてきたみたい。

「お歳暮ねぇ…?
サンタさん…からじゃあ…ないかなぁ…」
(何て説明したら分かるかしら?
一年間お世話になった方への御礼…って、言っても分からないわよね)
「え~っと、…あっ!もうこんな時間!
ご飯の用意しないとね」
私は思わず逃げてしまった。
(大人げなかったかな…)
急いでキッチンに行くと夕食の用意を始めた。

「ママ~今日のご飯な~に?」
「今日は寒いからお鍋よ
みーちゃん好きでしょ♪」
「おナベにはねぇ~ユズのかおりがいいんだって!」
「えっ柚子?みーちゃんよく知ってるわね」
(誰に聞いたのかしら?)
「ねぇユズってな~に?」
「あははっ…、ちょっと待ってね」
棚からお歳暮で貰った柚子を取り出した。
「これが柚子よ
良い薫りでしょ」
「いいかおり♪
みー、これ好き♪」

柚子に夢中になった娘。
これでしばらく誤魔化せるわね。



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