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千分の一話噺

第349章 吸血鬼


「首筋や手首に注射で刺された様な外傷はあったが、それが死因かどうかは解剖待ちだな…」

ハロウィンの最中、何人もの人が突然倒れ亡くなった。
突然死かと思われたが、被害者のほとんどが若者で、その数は十三名にも及んだ。

「被害者に関連性はなしか…
ハロウィンイベントに来た者ばかりか?
年齢、性別、職業、出身等どれもバラバラ…」
解剖結果から殺人、しかも連続殺人であると断定した。
「どうすりゃ大量の血液を抜くなんて真似が出来るんだ?
吸血鬼じゃあるまいし…」
注射針と思われる痕跡が手掛かりだが…。

監視カメラに犯行現場は映っていない。
殺害方法も分からない。
「短時間に血液を抜き取る方法か…
そんな事出来るのか?」


しかし、事件は『今時』な事で動き出した。
「何だ?これは?」
ネットで『犯行の動画』と称して出回っていた。
被害者と思える人が何者かに噛み付かれている。
「…これは演技か
だが、被害者は本人の様だ
こいつは何か知ってるな」
投稿者を参考人として引っ張った。

どうせこいつは犯人に頼まれて撮った動画をSNSに上げただけだろう。
だが、こいつを叩けば犯人に繋がる何かが出る。



…はずだった。



犯人に繋がる情報はあった。
が、犯人の行方にはたどり着かなかった。
煙りの様に姿を消してしまったと言う方が正しい。
長い捜査になりそうだ。


end
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