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千分の一話噺

第348章 緑のおばさん


学童擁護員とは、小学校の通学路上に立ち、児童の通学における安全確保に当たる職員のことである。
女性の学童擁護員については、緑のおばさんという愛称があり、交通安全のシンボルカラーである緑色の制服や帽子を着用している。


『緑のおばさん』として二十うん年…。
もうおばさんと言うよりすっかりおばあさんになってしまった。

毎日、地域の子供達の通学の行き帰りを見守り続けてきた。
たくさんの子供達の成長を見てきた。
子供達と仲良くなったりもした。

「おばちゃん、これママがあげなさいって!」
夏には、冷たい缶ジュースを貰ったり…。
「寒いからこれ使って!」
冬には、もう働いてる子からマフラー貰ったり…。
「おばちゃん、まだやってんだ!」
悪戯小僧だった子がコンビニのフライドチキンくれたり…。

もちろん、良い思い出ばかりでもなかった。
目の前で事故が起こった時には涙が止まらなかった。


それも明日で終わる。
「もう定年なんて、寂しいわね」


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