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千分の一話噺

第347章 レントゲン


「これな~に?」

幼稚園に通うようになった娘は、目に付いた物を何でも聞いてくる。
いろいろな物に興味を示すのは良い事だけど、手当たり次第なのはちょっと勘弁してほしいのだが…。


「これな~に?」
買い物に行った食器売り場での事。
「お茶碗よ
いつもこれでご飯食べてるでしょ」
「あたしのこんな色してないよ」
よく見ると漆器の茶碗だった。
「お茶碗には木で出来てるのと、瀬戸物があるのよ」
そうは言ってみたものの、まだ娘には理解出来ないわね。
「ふ~ん…」
でも、娘はすぐに関心がなくなる。

病院に行った時もあれこれ聞いて、ナースさんを困らせていた。
「これはレントゲンと言って、由佳ちゃんの身体の中が見えるのよ
これで病気を早く治そうね」
その時の無邪気な娘の姿が目に焼き付いている。


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