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千分の一話噺

第343章 裏名物


「学祭名物~タコ一匹入った巨大タコ焼きだよ!」
「イチゴソースたっぷりの赤いヤキソバ、いかがっすかぁ!」
「タピオカラーメン、あるよ!」
出店の売り子が声を張り上げ、客に呼び掛ける。


今年の学祭も賑やかだ。
そんなメイン通りを抜け、目当ての場所に向かう。
校舎の中でも一番日当たりが悪く、人気のない暗い場所にひっそりと看板が掲げられている。

『DarkpanClub』

呼び込みもいない、中も暗くて様子が見えない。
知らない人が、この看板だけを見て中に入るにはかなり勇気がいる雰囲気を醸し出している。
しかし、毎年楽しみにしているファンが多いこの学祭の裏名物なのだ。

俺も卒業して十年、ほぼ毎年参加している。
「ようこそ、DarkpanClubへ…」
薄暗い中に入ると、ここで見知った顔が何人かいる。
「そろそろ本日最初のDarkpanを始めましょう
皆様、準備を…」
部屋の照明が消され中央にあるコンロの火だけが明かりとなった。
コンロの上には大きな鍋がグツグツとしている。

しばらくすると再び薄暗い照明が灯る。

各々、鍋から具材を取る。
「皆様、取った具材は残さず食べるのがルールです
それではお召し上がり下さい」
ここから先は阿鼻叫喚だった。


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