第342章 名探偵と佳奈ちゃんとネズミと…
「探偵さん!大変大変!」
「ワン!ワン!ワン!」
佳奈ちゃんとコロが飛び込んで来た。
「はいはい、今日は何だ?」
佳奈ちゃんが飛び込んで来るのには、もう慣れた。
「本当に大変なんだよ!
さっきネズミさんに会ったの!」
「…ネズミさん?
誰だっけ?」
「ピエロの怪盗さん!」
「あぁ…そんな奴いたなぁ…」
俺はすっかり奴の事を忘れていた。
まぁ、あっちが勝手にライバル視してるだけでもあるのだが…。
「それでね、それでね♪
ネズミさんからお手紙預かったの!」
ワクワクが止まらない佳奈ちゃんが、黒い封筒を俺に手渡した。
「手紙?」
中を見ると予告状が入っている。
『親愛なる名探偵殿
ご無沙汰しています
来たるハロウィンの日に教会のお宝を頂戴に参上致します
令和最初の、華麗なる勝負を致しましょう
楽しみにしています
ラットキッド5世』
「あのネズミの野郎…、ハロウィンの仮装みたいなマスクしといて何ぬかしてやがる
この街で好き勝手はさせねぇぞ」
「ネズミさんと勝負するんでしょ♪
わぁ~い♪楽しみ♪」
佳奈ちゃんは興奮しっぱなしだ。
「佳奈ちゃん…」
苦笑いするしかないな。
しかし、教会から何を盗む気だ。
また下調べしねぇとな。
「あぁ~めんどくせぇ…」
end