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千分の一話噺

第340章 悪夢


「あぁ~…結局このブレスレットは何の役にも立たなかったなぁ」
悪いこと続きで引き出しにしまっていたラピスラズリのブレスレットを引っ張り出した。

せっかく自分へのご褒美として買ったんだからとはめてみた。

『お主、今我を役に立たないと申したな!』

「えっ?何?誰!?」
どこからか声が響く。

『お主に最高の栄誉を与えてやろう』

「はぁ?栄誉?」
私は怖くなった。

その刹那、ブレスレットが光りだした。
まばゆい光りが収まると私は見知らぬ部屋にいた。
「…どこ?」
見回すと豪華な装飾が施された家具が並んでいた。

コンコン…。

ドアがノックされた。
私は恐怖に身を縮める。
「失礼します」
ドアが開き、黒いタキシードの男性が深々とお辞儀をした。
「だ、誰?」
「私は執事のジェームスです」
「執事?ジェームス?」
私の頭は混乱を極めた。
「そろそろお時間となります」
ジェームスは手を叩くと後ろからメイド姿の女性が数人現れた。
「では、お支度を…」
ジェームスはメイドを残し後ろに下がった。
私はメイド達に着替えさせられ、メイクを施された。
支度が終わるとジェームスが入ってきた。
「では、こちらへ…」
私の頭は真っ白のままジェームスに連れられ司祭の前に立った。
頭に冠を乗せられ、司祭に祝福の言葉を掛けられた。

しかし、私には何が何だか分からない。
ジェームスはそのまま私を教会の外に連れ出す。

女王陛下!バンザイ!

外には大勢の人が歓喜の声を上げていた。



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