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千分の一話噺

第327章 夜散歩


都会の夏の夜は昼間の太陽に焼かれたコンクリートやアスファルトが一晩中熱を放つ。
夕方から夜にかけて夕立で冷やさないかぎり、ほぼ毎晩熱帯夜となる。

「あちぃ…
まだ30度もあるわ…」

午後9時、日課の散歩に出るが町中の気温はまだまだ下がらない。
蝉もまだ元気に歌っている。
「これじゃあ、夕涼みにならんよな」
歩きはじめて10分、15分程度で汗がうっすらと滲んでくる。
早くも水分補給だ。
夏場の散歩には必ずペットボトルを一本持って歩く。
夜とは言えこの暑さ、小まめに水分補給しないと熱中症で倒れてしまうだろう。

もう少し行けば田圃があり、アスファルトよりは涼しいはずだ。
この時期なら向日葵も咲いてる。
大通りは避け、出来るだけ裏道を歩く。

たまに野良猫の集会に出くわす。
人に慣れてる猫は逃げないが、慣れてない猫はちょっと離れた場所に隠れた。
が、隠れてもちゃんとこっちを覗いてる。
邪魔しないように挨拶だけしてその場を離れた。

向日葵が見えると、町中の狭いスペースながらちゃんとした水田が現れる。

田圃を渡るそよ風は涼しい。



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