• テキストサイズ

千分の一話噺

第324章 プール、その後…


下校するときには、ゲリラ豪雨はどこへやら…。

プールの授業が潰れて、亜希子はとにかく機嫌が良い。
「ねぇ、最近出来た和風カフェ行こうよ
スッゴくお洒落なんだって♪」
私達は隣町に新しく出来たその店に向かった。
「…ここ?」
私は首を傾げた。
確かにお洒落と言えなくはないが、どう見ても蕎麦屋にしか見えなかった。
「どう、斬新でお洒落なカフェでしょ」
亜希子にはお洒落なカフェのようだ。

中に入ると蕎麦屋とカフェを足して二で割った感じの微妙なインテリア…。
「私、蕎麦粉のクレープと葛餅ね」
「私は…、タヌキそうめん?…と葛餅で…」
メニューも独特だ。

注文した物が来るまで、亜希子はまたスクール水着の愚痴をこぼした。
「だいたい何であんなデザインなの?
もっと可愛く出来ないかなぁ」
「確かに可愛くはないけどね
そろそろ諦めなよ、プールの授業がなくなる訳ないんだから…」
亜希子は頬を膨らませむくれた。
「ふわぁ~♪これ美味しい♪」
蕎麦粉クレープを頬張り、亜希子はご機嫌になった。
「こっちも美味しいよ」
冷やしタヌキのそうめんバージョンといった感じだけど、めっちゃ美味しい。
もちろん葛餅も美味しかった。
「亜希子の奢りだったよね」
「葛餅はね」
「えっ?
ちょっとぉ、狡いわよ」
「四の五の言わない、はい、そうめん代!」
そう言って手を出した。
私は渋々、そうめん代を亜希子に渡した。


end
/ 1580ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp