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千分の一話噺

第319章 ナポレオンの遺産


「ボニー、何を狙ってる?」
「なんの事よ?」
私が出掛けようとしたらクラウドに感ずかれた。
「とぼけてんじゃねぇよ
抜け駆けしようったってそうはいかねぇぜ」
「まったく…妙に鼻が利くんだから…」
同じ盗っ人稼業、獲物によっては手を組む事もあるけど、基本的には個人商店。
「ナポレオンが常に携帯していたと云われているカーネリアンで作られた八角形の印章よ
大した価値がある代物じゃないわよ…」
分け前なんて出せない獲物は一人でやるのが当たり前だ。
「とぼけても無駄だって…
どこぞの大金持ちがナポレオンの遺産には大金を払うそうじゃねぇか?」
「へぇ~そうなんだ?
私には関係ないわね…」
気のない返事をしたが、内心は焦っていた。
(こいつの鼻は犬並で耳は地獄耳か!?
何でそこまで知ってるのよ?
せっかくの美味しい話しなのに…)
「まぁ、五分じゃ悪いから6・4で手ぇ打ってやるよ」
「人の話し聞きなさいよ!
………7・3、これ以上は出さないわよ!」
ここまでバレてたら仕方ない。
「はいはい、相棒のたっての頼みだ
それで良いぜ」
クラウドはニヤッと口角を上げて、親指を立てて見せた。
「誰が頼んだのよ!
…はぁ、じゃ手筈を決めましょ」
私達は準備を整え、夜の街へ走り出した。


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