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千分の一話噺

第307章 猫の反乱


昔々、あるところに動物を大変可愛がる国がありました。

その国の王様は動物が好き過ぎて、どんな動物でも傷付けたり捕まえた者は牢屋に入れるという法律を作りました。

国民は困ってしまいました。
鶏や豚や牛などの肉はもちろん魚まで食べられなくなり、畑を荒らす猪や危険な熊や狼も退治出来なくなりました。

王様に「国民が困ってます」と言った大臣はすぐに牢屋に入れられてしまいました。
もう誰も王様に何も言えなくなりました。

牢屋に入れられた大臣には息子がいました。
息子は何とか父親を助けようと、森に住む魔法使いの家へ行きました。
魔法使いに訳を話すと大臣の息子に猫になる魔法を掛けました。

魔法使いは猫になった大臣の息子に作戦を耳打ちしました。
大臣の息子はすぐに町へ戻り、町中の猫に魔法使いの作戦を話しました。

大臣の息子は町中の猫と一緒にお城へ向かうと、王様の部屋で大暴れしました。
「誰かっ!
この猫共を捕まえろ!」
王様は部下に命令しました。
しかし部下は動きません。
「王様、その猫を捕まえる事は法律違反になります」
王様はその言葉にやっと自分が悪かった事に気付きました。
「余が悪かった!
法律は取下げるから何とかしてくれ!」
猫になった大臣の息子はそれを聞いて猫達を連れて王様の部屋を出ました。

捕まっていた大臣も牢屋から出され、法律も無くなり、みんな元通りに暮らせるようになりました。


めでたし、めでたし…。
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