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千分の一話噺

第306章 俺とあいつ⑳・笑顔


例の如く、あいつから庭の手入れだと呼ばれ、半日かけて終わらせた。

「ご苦労さま、お茶入れたよ♪」
「これって…」
出て来たのは抹茶パフェ。
「なんでこんなもんが出て来るんだ?」
「自分で作ったからだよ~ん♪」
こいつにこんな特技があるとは思わなかった。
「お前、食うだけじゃなかったんだな」
「君はどうゆう目でボクを見てるのかな?」
俺の嫌みにこいつは頬を膨らませ拗ねた様な素振りを見せた。
「君は和菓子が好きだから、わざわざ抹茶パフェにしたんだぞ
有り難く思え♪」
「お前なぁ…、だったら普通に和菓子にしろよ」
そんな事言いながら一口食べた。

「うっ、美味い…」
悔しいが抹茶クリームや小豆入りアイスクリームの甘さ加減が絶妙で美味過ぎる。
「えへへっ
どう?見直した?」
「…はいはい」
あまり褒めるとこいつはすぐ天狗になるからな。
「え~っ、それだけ?
これ作るの苦労したんだぞぉ~」
珍しくしおらしい顔をしやがった。
「…店で売っててもおかしくないくらい美味いよ」
そんな顔されたら褒めるしかないだろ。

途端にパアッと明るい笑顔に変わった。
「じゃあ、また何か手伝ってくれたら作ってあげるね♪」
「…出来れば普通に作ってほしいんだけどな」
こいつはまた悪戯な笑顔に変わった。



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