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千分の一話噺

第294章 お茶会


「十連休もあるからたっぷり読書出来るわ」
私は図書館に急いだ。

話題の新作が入荷したらしい。
他にも読みたい本が何冊もある。
「…あれ?…兎?」
図書館に行く途中、兎みたいな影を見た気がした。
「まさか…ね
こんな街中にいるわけないよね?」

私が利用している図書館は、『森の図書館』と言われて木造の建物に周りを木々で囲まれている。
「こんにちは」
中に入るといきなり挨拶された。
「えっ…?」
声のする方を見ると…。
「…うさぎ?
えっ?えぇぇぇっ!!」
私はその場で固まってしまった。
(兎?さっきの兎?
あれ?兎ってしゃべったっけ…?
着ぐるみ?にしては小さいし…、ロボット?には見えないし…
何なの?夢?幻覚?)
「おや、固まってしまいましたか?
無理もありませんか…」
兎は固まった私にお構いなしに話し掛けて来る。
「ここは本の中の世界、私はここの案内係です」
(本の世界?えっ?ここ森の図書館だよね?
えっ?何で?何で?…)
「何でぇぇぇっ!!!!」
遂に叫んでしまった。
「おっ、やっと戻ってきましたね
改めまして、案内係の兎と申します」
「まんまかいっ!」
ついついツッコミを入れてしまった。
「名前はあるんですが、人語では表せないもので…
それよりも、こちらへどうぞ」

兎に着いて森を抜けると、テーブルにお茶とお菓子が置いてあった。
「…アリスのお茶会?」
「さすが、よくご存知ですね
これでここが本の世界だとご理解して頂けましたか?
お茶でも飲みながら本の話しをしましょう」
信じがたいが本当に本の世界に入ってしまったようだ。

そんな私を見透かしたように兎が言った。
「あなたが見たい本の世界はどんな本でしょうか?」



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