第272章 豆まき
イギリスからの留学生ジェームスを連れて神社にやってきた。
「タカシ、今日はフェスティバルか?」
「節分と言って、豆まきして一年の無病息災を祈るんだ」
「セップン?マメマメ?」
ジェームスは首を傾げて苦笑いをしていた。
ジェームスは日本に興味を持ち、日本の文化を全部覚えるつもりで来たそうだ。
日本語も会話するくらいなら理解している。
神社では露店も出ていて賑やかだ。
「タカシ、これはホットミルクか?」
ジェームスは甘酒を売っている露店を見つけた。
「それは甘酒っていうんだよ」
「アマザケ?美味いのか?」
「美味いし、あったまるよ」
甘酒を買ってあげた。
「オー、デリシャス!
こんな美味しいドリンク初めてネ!」
どうやらジェームスは甘酒が気に入った様だ。
甘酒を飲みながら豆まきが始まるのを待っていた。
しばらくすると舞台から威勢良く豆まきが始まった。
「鬼は~外!福は~内!」
「ファンタスティック!
これがマメマメね!」
「豆まきだって…」
そんな事はお構いなく、ジェームスは夢中で写真を撮りはじめた。
「タカシ、マメマメは何を投げてるんだ?」
「豆…、えーっと…ビーンだよ
豆を撒くから『MAMEMAKI』って言うの、マメマメじゃない」
「オー、ソーリー
やっぱり日本語むつかしいネ」
ジェームスは苦笑いで頭を掻いた。
「タカシ、これからもいろいろ日本文化を教えてネ
ユルシクね」
…これから先が思いやられる。
end