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千分の一話噺

第235章 イラスト


「さて、次は何を描こうかね」

ガキの頃から絵を描くのが好きで、ノートによく落描きをしていた。
もちろん本格的な絵画ではなく好きな漫画を真似してイラストを描く程度だ。
ただ、その頃は漠然と漫画家になりたいと思っていた。

歳と共に趣味は変わり、すっかり絵を描く事もなくなって数十年が経った。
世の中はデジタル化が進み、SNSでとあるサイトに登録した。
そこは小説投稿が出来る無料サイトだった。
だが、そこはスマホ専用になり携帯電話の俺は他のサイトに移る事となる。
「格差社会の風か…」
はっきり言えば貧乏人にネット社会は優しくない。
たいていのサイトはスマホ専用で携帯電話で出来る所は限られる。
やっと見付けたサイトは小説だけじゃなく、イラストも投稿出来た。
始めは小説だけの投稿だったが、サイトを開くと何かしらのイラストが目に入る。

「絵か…久しぶりに描いてみようかな…」
そんな軽い思いでペンを取った。
ブランクは隠せない。
「全然描けねぇ…」
昔描いた絵と見較べると情けなくなった。

もう少し昔の様に描きたい…。

リハビリと称し、いろいろな絵を模写する。
まるでガキの頃に戻った様に楽しい。
何枚か描くうちに、上手く描こうと思わなくなった。

俺が楽しく描ければ、いつか昔の様に戻れる。
いつになるかは分からないが…。



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