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千分の一話噺

第234章 秋雨前線異常あり


秋雨前線とは北からの寒冷前線と南からの温暖前線が日本上空辺りでぶつかり雨を降らすラインだ。



「よぅし、そろそろラインを南下させるか」
寒冷は南下の準備を進めていた。
しかし、いざ南下しようとしたら温暖が一向に引く気配がなかった。
「おい!温暖!
何やってんだ!?そろそろ下がれよ!」
寒冷が温暖に文句を言った。
「うるせぇな!
俺はまだ燃え尽きちゃいねぇんだよ!
てめぇは引っ込んでろ!」
今年の温暖は異常に燃えていた。
「お前が下がらないと日本に秋が来ないだろ!
下がらねぇとぶっ飛ばすぞ!」
寒冷はいらついていた。
「やれるもんやってみな!
返り討ちにしてやるぜ!」
寒冷と温暖は例年よりも北でぶつかった。

そこに天下の暴れん坊、台風がやって来た。
「おらおらぁ!
邪魔だ!どけっ!」
まるで暴れ馬の様に大気を掻き回して北へ駆け抜けて行った。

「台風の野郎、せっかく準備したのにぐちゃぐちゃじゃねぇか…」
寒冷はがっくりとうなだれた。
台風は南から熱帯の空気を大量に引き連れてきていたのだ。
「はははっ
まだまだ秋にはさせないぜ!」
温暖は勝ち誇った様に日本に胡座をかいた。
しかし、寒冷も虎視眈々と南下を狙っていた。



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