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千分の一話噺

第214章 祈り…エピソード0


『次の日曜日、大事な話しがあるから空けといて』

彼からのメール。
すぐに了解の返事を送る。
(大事な話しってなんだろう?
まさか…まさか…プロポーズ?)
私は一人でぬいぐるみを抱きしめ萌えていた。
「そうだ!日記、日記!」
早速、お気に入りの日記帳に書き込んだ。

『今日、祐司から大事な話しがあるからってメールがきた

これってプロポーズかな?
まさかの別れた話じゃないわよね
先週もかなり無理して高級ホテルのバイキングなんて連れてってくれたんだから…

もう付き合って五年にもなるし、そろそろ祐司も覚悟を決めたのかな?

けど、なんで次の日曜日なんだろう?
なんかの記念日じゃないよね

でも…でも…

楽しみぃ~
早く、早く日曜日にならないかなぁ~』


私は仕事中もワクワク、ソワソワとしていた。
同僚からも『大丈夫?』と心配されるくらいだ。

浮かれていたせいか私は交差点で信号を見落とした。
気付いた時には、目の前に車が迫っている。
耳をつんざくブレーキ音、全身に走る衝撃。
私の意識はそこで途絶えた。

「ゆ…う…じ…」



end
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