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千分の一話噺

第211章 油断大敵


とある田舎の町に都会から歯医者が引っ越してきた。
町外れに自宅兼歯科医院を建て、程なく開業する。
田舎の小さな町はすぐにその歯科医院の話題になった。

「まだ若いのに開業するなんて優秀なのかな?」
「優秀なら都会で開業するんじゃない?」
「でも、イケメンだし、歯医者だからお金持ちなんじゃないの?」

本人の知らない所で勝手な噂が飛び交う。
「若くてイケメンで金持ちの歯医者か…」
そんな噂は得てして本人の耳に届くものだ。
「…好き勝手言ってくれるねぇ」
そう呟くと口角を上げた。

その歯医者は腕も良く、口コミで近隣の町からも患者が来るようになった。
更に人当たりも良くて、評判となった歯科医院には連日患者が絶える事はなかった。

だが、しばらくしてその歯科医院は、なんの前触れもなく突然閉院してしまう。
そして、この平和な田舎町に事件が起こった。
近隣の町を含む資産家と言われる人が数人、行方不明となりその資産が無くなっていた。
そして唯一の共通点がこの歯科医院の患者であった。

警察は歯医者を参考人として行方を追ったが、ようとして分からず、医師免許は偽造と判明した。
それを理由に家宅捜査が行われ、行方不明だった資産家達の遺体が発見された。



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