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千分の一話噺

第204章 名探偵は結構根に持つ


「お~い名探偵、仕事持ってきてやったよ
…おや?奴はどこ行ったんだい?」
「探偵さんならおばさんが来るちょっと前に出掛けちゃたわ」
「ちっ、逃がしたかい…
じゃあ仕方ない…
佳奈ちゃん、ソフトクリームでも食べ行こうか」
「ほんと!?うん行く!」
オーナーと佳奈ちゃんとコロが事務所を出て行くのを確認してからクローゼットを出た。
「あっちぃ…
もうここに隠れるのは厳しいな」
立夏を過ぎて暦の上では夏になった。
(まぁ最近では気温でも夏並だからな
さて、今日はもうババァも来ないだろうから仕事するか…)
その時、窓から黒猫が飛び込んできた。
「にゃ~!」
「何だ?コイツは!」
よく見れば首輪に手紙らしき物が付いていた。
手紙を剥がすと黒猫は窓から出て行った。
「俺宛て?」
開けてみると『予告状』が入っていた。

『我がライバルよ
この前はご馳走さまでした
お礼と言っては何ですが、次の満月の日、古城に眠るお宝を頂きに参ります
怪盗ラットキッド五世』

「あのっクソ鼠ぃ!
この前の食い物の恨み返してやる…」
俺は予告状を握り締めた。

しかし、この街で古城と言ったら霧雨城だよな。
あそこに宝があるなんて聞いた事がない。
(少し調べてみるか…
鼠の事だ、他にも予告状送ってるだろうしな)

俺は自転車で霧雨城に向かった。


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