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千分の一話噺

第196章 サン・ジョルディ


「ほう、ジャパンから来たのか?
なら、サン・ジョルディをご存知かな?
遥か昔、このカタルーニャ地方におった伝説の騎士じゃ
その若き騎士は邪龍にさらわれたある国の王女を命懸けで助け出したんじゃ…」




「王女を離せ!」
騎士ジョルディは自分より何倍大きい邪龍と対峙した。
「貴様ごとき若僧に何が出来る?
王女の生き血は我を更に強くしてくれる
そこで大人しく見ているが良い」
邪龍は今にも王女をその巨大な口で食べようとした。
「やらせるかっ!」
ジョルディは剣を抜き、邪龍に飛び掛かった。
ジョルディは邪龍の吐く炎を盾で受け流し、剣で邪龍の腕を切り落とした。
「王女!ご無事ですか!」
切り落とした腕から王女を救い出すと、すかさず邪龍の胸目掛け剣を突き出した。
ジョルディの一突きは邪龍の心臓を貫いた。
「ギャーーー!…き、貴様ごときにぃ!」
邪龍は断末魔の叫びをあげ、その場に崩れ落ちた。




「邪龍の血が流れた地面には、それは美しい赤いバラが咲いたそうじゃ
ジョルディはその功績を讃えられ、守護聖人となり『サン・ジョルディ』と呼ばれるようになったんじゃよ
まぁ、騎士ジョルディが本当にいたのかは定かではないがな…

どうじゃ、せっかくジャパンから来たんだから、土産にこの『サン・ジョルディ伝説』を買っていかんか?
なんなら赤いバラも付けてやるぞ」



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