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千分の一話噺

第180章 とある野郎の正月


『あけましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします』

年賀状。在り来りな文句がプリントされただけの温かみのない形式だけの葉書…。
「せめて宛名くらい手書きにしろよな…
まぁ…送るって気持ちがあるだけマシか…」
俺はそんな年賀状をテーブルの上に放り投げた。

遅く起きた元日、時計を見たらもう午後を回っている。
実家じゃないから、お節も雑煮もない。
食べる物と言えば、年末に買っておいた切り餅とカップ麺が数個あるだけだ。
「まぁ…三日はこれで大丈夫だな」
俺はどこも代わり映えしないテレビの正月番組を横目にゴロゴロしながらウィスキーを流し込む。
絵に描いた様な寝正月だ。

三日になると食料も乏しくなる。
「そろそろ食い物買いに行くか…」
俺は重い腰を上げる。
今は正月と言っても元日からコンビニは開いてるし、二日にはスーパーもやってる。
便利ではあるが風情もへったくれもない。

スーパーで食料を買った帰りにコンビニで肉まんを買った。
「正月に肉まんか…
ふっ、俺も風情もへったくれもないな
さて、今日は久しぶりに料理するか」



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