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千分の一話噺

第164章 風の子


北風が吹く公園にタカシ君が遊びに来ました。
「ねぇねぇ、かくれんぼやろうよ」
タカシ君が言い出しました。
「うん、やろうやろう」
そこにいた数人の子供達が輪になってジャンケンを始めました。

「ジャンケンポン!」「アイコでショ!」「アイコでショ!」

なかなか鬼が決まりません。
それでも一人勝ち抜け、二人勝ち抜け…、残りは三人です。

「ジャンケンポン!」「えーっ!僕が鬼?」

鬼は言い出しっぺのタカシ君に決まりました。

「目つむって十、数えてね」
「行くよ!
いーち、にー、さーん、しー……きゅー、じゅう!」
タカシ君が目を開けるとみんな隠れ終わっていました。

「よーし、みんな見付けてやる!」
タカシ君は張り切ってみんなを探し始めました。

ベンチの裏に…。
「ケイコちゃん、見っけ!」
大きな木の影に…。
「ケンジ君、見っけ!」
土管の中に…。
「ジュンちゃん、見っけ!」

タカシ君は次々に見付けていきました。
けれど最後の一人がなかなか見付かりません。
「ここか?」「こっちか?」「そこだろ?」
あちこち探しても見付かりません。
タカシ君が降参しようとした時、強い北風が吹きました。
「あっカズヤ君、見っけ!」
北風で落ち葉が吹き飛ばされカズヤ君が現れました。
「ちぇっ、見つからないと思ったのに…」
カズヤ君は悔しがりました。

「次は何しよっか!」


end
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