第159章 リサイクル
「私は神様です」
「俺も神様だ」
「あたしも神様よ」
右を見ても左を見ても神様ばかり…。
それもそのはず、ここは出雲の國。
神有り月は日ノ本の神様が全てここに集まるのだ。
日ノ本の神は『八百万(やおよろず)の神』と云われるくらい数が多い。
犬神や猫神、魚神に鳥神、木や草、生きとし生けるもの全てに神様は憑いている。
貧乏神や疫病神ももちろん神様の一人、中には更に変わった神様もたくさんいる。
「俺様はゴミの神様さ
持ち主から手が離れれば俺様の領域だ
しかし、最近はリサイクルとかいってゴミの様でゴミじゃないもんがある…」
そこにまた違う神様が現れた。
「あら?ゴミのお兄さんじゃありませんか?
私の領域には手を出さないで下さいね」
そう彼女はリサイクルの神様。
リサイクルと言うシステムが出来てから生まれた新しい神様だ。
「うっせーな、そんなもんに手なんか出すかよ」
しかし、現実にはその区別は微妙な物だ。
結果、二人は常に縄張り争いをすることになる。
「そのペットボトルは私の物ですわ
そっちの缶も瓶も…
あっ!その段ボールもリサイクルですわね」
「くぅーっ!俺様のゴミがぁぁぁ!」
ゴミ神様の領域はどんどん減っていくのであった。
end