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千分の一話噺

第154章 どっちが大事だ!


今日はテニス大会の決勝戦、俺はダブルスで出場する。
パートナーの憲治とは学生時代から組んでいて、優勝候補と言われていた。
これに勝てば世界大会に出場出来る大事な試合だ。


しかし、それよりも大事な事を思い出した。
「くそっ!こんな時に電池切れかよっ!」
俺は持っていたスマホを投げつけたくなった。
「何をそんなにイラついてんだ?」
そこにちょうど憲治がやって来た。
「おっ憲治!携帯貸してくれ!」
「俺が携帯もスマホも持ってないのを忘れたのか?」
そう、パートナーの憲治はテニスは天才的だが、テニス以外は変人で通っている。
イケメンなのにいろいろ残念な男だ。
「超ビッグ宝くじの販売今日までだろ!?まだ買ってないんだよっ!」
「試合と宝くじ、どっちが大事だ…
諦めろ…」
憲治は冷たく言い放った。
「諦められるか!
このままじゃ試合に集中出来ねぇよ」
「ちっ…ん?待てよ…
ここの入り口辺りに公衆電話があったぞ」
「そうか!ラッキー!ちょくら行ってくる!」
俺は公衆電話に走った。
決勝戦まで後僅かだと言うのに…。



結果はどうだったかって?
宝くじの当選発表の時は世界一になってるはずさ。



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