• テキストサイズ

千分の一話噺

第148章 墓場


「やっと来たぜ!待ちに待った夏休み~!
今年こそは宿題をさっさと終わらせて最後まで遊びまくるぞ!」

と、最初の意気込みは良かったけれど、気付けばもう八月も半ば。
「今夜は盆踊りだ!」
そう、宿題なんか全然終わらず次から次へと遊びまくっていた。

「おっ来た来た!
早く行こうぜ!」
友達数人と待ち合わせて盆踊りの会場に向かう。
毎年、近くの神社でやっていた盆踊り、今年は神社の改修工事でちょっと離れたお寺でやる事になった。

「今年はお寺だろ?
終わったら肝試しやろうぜ」
「え~やだぁ」
「面白そうじゃん!」
「そんなの男子だけでやってよ!」

こういうイベントは男子はやる気満々だが、女子は大抵やる気なし。
とりあえずは盆踊りと言うより出店や屋台巡りが楽しみ。
少ないお小遣で何を買うか?が問題だ。

一通り回って、やっぱりみんなでかき氷を食べる。
何人かのクラスメイトは浴衣着て盆踊りを踊ってた。

「そろそろ肝試ししようぜ」
「ホントにやるの?」
「この墓場ってヤバいって噂だよ」
「みんなで回れば怖くないさ」

お寺の裏にある墓場は、周りを木に囲まれていて中は暗くて静かで涼しい。
肝試しにはもってこいな場所だ。

「きゃ~!」「うわぁ!」「いや~!」「おぉ!」

楽しい思い出になった事だろう…。


戻ってこれたなら…。



end
/ 1578ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp