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千分の一話噺

第142章 日本のイギリス人


「ワタシはジェームス、日本にキテ3年です
フリサト?はロンドン、日本文化の一番にナルまでカエレないネ」
まだ、たどたどしい日本語だが、日常会話には不便はないようだ。
ジェームスは日本文化を勉強するためにイギリスから着た留学生だ。

日本の風習もそれなりに理解しているが、『土用の丑の日』に鰻を食べるのだけは苦手な様だ。
「ウナギ?NO!ダメです!
タベません!」
ロンドンには『鰻のゼリー寄せ』と言う料理があるそうだが、どうやらジェームスはこれが大嫌いで鰻がトラウマになっている。

「あれ?ジェームス、その歌って…」
「ハイ、イギリスのフルイ歌です
日本語だとミンユウ?ですネ」
「ミンユウ?…それは民謡だろ!」
周りに突っ込まれてキョトンとするジェームスの鼻歌は童謡「ロンドン橋」、イギリス民謡が元になっている。

「コレ、何ですカ?」
ジェームスは亀の子たわしを手に取って周りに聞いた。
「たわしって英語あるの?」
「う~ん、キッチンブラシかな?」
みんな首を傾げた。
「キッチンブラシ?
scrub brushネ!」
ジェームスは亀の子たわしを初めて見たらしい。
亀の子たわしは、さすがにイギリスには無いのだろう。
友達のプレゼントとして、帰る時は買っていくそうだ。


イギリス人ジェームスにはまだまだ知らない日本文化が沢山ある。
故郷ロンドンに帰るのはいつになる事やら…。



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