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千分の一話噺

第141章 天気予報?


「あ~した天気にな~れ♪」

私が幼かった頃、下駄を蹴り飛ばし天気を占ったものだ。

表は晴れ。
裏は雨。
横は曇り。

占うと言うよりは単なる遊びでしかない。
遊びではあるが、何が面白いと言う事ではない。
今の様に決まった遊び道具もなく、身近な物を使って自分達で遊び方を考えるのが当たり前だった。
その一つが下駄を蹴り飛ばし天気を当てる遊びだった。


「あ~した天気にな~れ♪」
下校中に畦道で友達数人と天気占いしながら帰った。
俺が蹴り飛ばした下駄は高く舞い上がると勢いよく落ち、地面に突き刺さった。
「おい、これは何だよ?」
「えぇ~っ?そうだな…冬なら雪だよな」
「まさか台風?」
「あれだ!流れ星だ!」
「流れ星?そんなの天気じゃないだろ」
俺達はたかが下駄が地面に突き刺さっただけでも楽しかった。
「今夜の盆踊り行くだろ?」
「もちろん!」
「じゃあ、今夜いつもの所に集合だ」
みんなそれぞれの家に帰ると、浴衣に着替え小遣いを貰って集合した。
盆踊りと言っても俺達が楽しみにしてるのは屋台と最後の花火だ。
金魚掬い、ヨーヨー釣り、輪投げ、リンゴ飴、ソース煎餅…。
みんなそれぞれ好きな事をして最後は花火を見上げる。

花火が終わって帰り道、夜空に幾筋もの光りが流れた。
「やった!流れ星だ!」
「すげぇ!当たった!」
「よ~し、今度は俺の番だ」

『あ~した天気にな~れ♪』



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