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千分の一話噺

第133章 こどもの日


五月五日、昭和23年に定められた「国民の祝日に関する法律」には、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」として男女の差別無くお祝いをするのが「こどもの日」となっている。


「お母さん」「母さん」「おふくろ」、呼び名は歳と共に変わっていったが、幾つになっても変わらない事がある。俺が例え六十、還暦になろうと母親は永久に俺の母親なのだ。

こどもの日。一応うちでも兜の飾り物を出して、ちらし寿司などの祝い料理が並ぶ。しかし、そんな祝い事をしたのは小学生くらいまでだったか。それでもおふくろは毎年こどもの日になるとちらし寿司を作ってくれた。兄弟全員とっくに成人してるのに「こどもの日だからね」と言って…。子供の為に料理することが、おふくろにとっての幸せだったのかもしれない。

散々親不孝をしてきた。親孝行なんて柄じゃないし、それらしい事もしたことはない。たぶんこれからもする事はないだろうな。ただ今もこれからも未来永劫、この想いは変わらない。


『親父、おふくろ、感謝している』



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