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千分の一話噺

第132章 世界の敵


明日の夜は満月になる。その前に奴を押さえないと世界は破滅の道を辿る事となってしまう。
しかし、未だに奴の居所は掴めていない。満月の光りを浴びるまで奴は動けない。今の内に手を打たないと…。

「まだ見付からないのか!」
上層部が焦るのも分かるが、余りにも情報が足りない。世界中の情報機関が国の枠を越え、異例の合同捜索を世界中で展開している。手掛かりは古文書にある『そよ風が吹く場所』、しかしそよ風なんて世界中で吹いている。
「本当に目覚めるのか?」
奴は古の、伝説の化け物…。誰しもが半信半疑に捜索していた。

『我等が施した封印は三千年後に解ける』
今から半年前に見付かった古文書に書かれていた事に世界が震えた。
その古文書には正確な日時が記されていた。その時点では存在しない西暦の日時で…。更にその化け物の皮膚と云われる物も張り付いていた。早速DNA鑑定されたが、地球上に存在する生物と一致する物はなかった。その後、新たに幾つかの古文書が見付かり、その化け物が地球の脅威になる事が分かると世界共通の危機感が生まれた。
しかし、どの古文書にも封印された場所は『そよ風の吹く場所』としか記されていない。各国の情報機関は、世界中をひっくり返えす様な探索をしたが見付ける事は出来なかった。

そして、運命の満月が夜空を支配した時、奴は目覚めた。
「…小賢しい人間共、我を封印した事を後悔させてやる」
そよ風はいつの間にか嵐になっていた。



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