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千分の一話噺

第127章 歳の差夫婦②・筍掘り


私達はドライブがてら隣の県に筍を取りに来た。

「そういえば、もう穀雨か…季節の巡りは早いものだ」
「えっ?こくう?何それ?
あなたって、たまに難しい事言うよね」
美味しい筍が取れる事で有名な竹林を歩きながら旦那が『穀雨』について話してくれた。
「穀雨って言うのは、二十四節季の一つだよ
この時期の雨は百穀春雨と言って、百穀を潤し芽を出させる春雨って言われてる
農家では種蒔きしたり田植えの準備をする時期なんだ」
「ふ~ん、そうなんだ…
あっ、あなたの実家、農家だもんね」
私の実家はサラリーマンだから農作業の事はさっぱりだし、二十四節季なんてほとんど知らなかった。

「見て見て!これ筍でしょ!」
私が見付けると旦那は手慣れた手つきで掘り起こした。
なかなか見事な筍だ。
「これは良い筍だ
これなら生で食べられるよ」
一緒に回っていた筍掘り名人がその場で皮をむいて、筍の刺身を食べさせてくれた。

「これ私が見付けたんだからね♪」
「はいはい、じゃあもっと見付けてね」
しかし、旦那は筍掘りが上手い。
名人も舌を巻くくらいだ。
「えっ?あぁ筍掘りは子供の頃、実家の近くに竹やぶがあって毎年じいちゃんと掘りに行ってたからね
まぁ今は住宅地になっちゃったけど…」
私は良い旦那を掘り起こしたようだ。

お土産の筍も持ち帰り、楽しく美味しい休日になった。



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