第121章 闘論!麺戦争!
ある昼休みのとある食堂。
ここで熱い議論を交わす麺達がいた。
「日本人なら蕎麦だろ!」
蕎麦は力強く言い切った。
「ちょい待ち、日本人はうどんや!」
うどんが反論する。
「今やラーメンは国民食あるよ」
ラーメンも議論に参加した。
「日本人は細く長く生きようと願いを込めて年越蕎麦を食べる
これぞ日本人の真髄だ!」
蕎麦の力説が炸裂する。
「それなら、うどんの様に太く短く生きるのが日本男児の生き様や!」
うどんが反撃に出た。
「ラーメンなら太さも長さも味もいろいろあるね
八方美人で優柔不断な所はとっても日本人らしいあるよ」
ラーメンも負けていない。
三麺とも譲らず、その場の空気はピリピリとしていた。
『いらっしゃい!』
そこへ客がやってきた。
「よし!この客がどの麺を選ぶか勝負だ!」
蕎麦の提案に二麺共頷いた。
『酢豚定食』
しかし、何も麺類が選ばれるとは限らないのだ。
「こいつは日本人じゃない!」「アホはほっとけ!」「次あるよ!」
時は昼時、引っ切りなしにお客がやってくる。
『生姜焼きくれ』『カツカレーな』『麻婆豆腐…』『ビーフストロガノフや』『焼き魚頼む』『私、オムライス』…。
次から次に注文が入るが麺類は出てこなかった。
疲弊していた三麺に、遂に麺類の注文が入った。
『僕、ナポリタン!』
三麺は二度とこの話をしなかったと言う。
end