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千分の一話噺

第90章 神の休息


ここは、とある妖怪の寄り合い所。
各地の妖怪達が集まって何やら良からぬ相談をしているようです。


「今年もこの時期が来たのう…」
年長らしき妖怪が仕切っていた。

神無月…日本中の神様が出雲に集合する月。
出雲では神有月と呼ばれる。

「長老!今がチャンスやっ!
日本をわいら妖怪の国にしたる!」
一匹の妖怪が机をバンッと叩いて息巻いた。
「んだんだ!これを逃しちゃなんねぇべ!」
「そうですわ!今年こそ我等の力を思い知らせましょう!」
「やっちゃるけん!」
周りの妖怪達もいきり立っている。

「まぁ落ち着かんか!
これまで何回失敗したか忘れたのか?」
長老は何とか妖怪達を抑えようとした。
「長老…今年は違いますよ
出雲に隠れ住む妖怪から連絡があり、いつも邪魔する守備隊まで集まっているそうです」
頭の良さそうな妖怪が発言した。
「ほぅ…ならイケるかも知れんな」
「妖怪の夜明けは近いぜよ!」


そんな相談がされてるなど露知らず、神様達は出雲で宴会中だ。
「がははっ!年に一度の宴会じゃ!
大いに呑んで騒ごうぞ!」
重鎮の一人が豪快に酒を煽る。
「でも、大丈夫ですか?
各地の守備隊まで連れて来ちゃって?妖怪達が暴れますよ」
部下の一人が心配をした。
「がははっ!心配するでない!
現代の日本なら大丈夫じゃ!
さぁ!呑め!」
上司がそう言うならと、部下も宴会を楽しんだ。


「行くぜ!野郎共!
人間達からこの国を奪うのだ!」
血気盛んな若い妖怪達が人間界に押し寄せた。
しかし、街中を見て妖怪達は逆に驚いて逃げ帰ってしまった。
街中には魔女にドラキュラにフランケンシュタインに…。
奇妙奇天烈な妖怪が占拠していからだ。


それもそのはず、現代の日本はハロウィン真っ盛り。
妖怪に扮する人間達が街中を練り歩いているのだから…。



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