• テキストサイズ

千分の一話噺

第84章 月の一族


千回目の月が満ちる時、私は寿命を迎える。
どんなに健康な状態であったとしても、これは太古の昔から定められた我が月の一族の宿命なのだ。


月の一族とは、地球外侵略者から地球を守る為に月から降りて来る。
有名なのは「かぐや姫」だが、あれは史実とちょっと違う。
かぐや姫は宇宙からの侵略者だった。
時の帝(みかど)に取り入ろうとしていたので月の一族が捕獲したのだ。

地球外生物にも侵略者ではない者もいる。
ビジネスだったり、観光だったり…。
地球の自然は他の星にはない美しさがあると言われている。
世紀の発明と言われる物は大抵が地球外の商品だ。
地球に害をもたらさない地球外生物は月を通して地球に降り立っているのだ。

我ら月の一族は、地球に有害となる地球外生物は排除し、有益になる地球外生物には観光案内したり警護したりもする。

私もシリウス星系王族の日本観光を案内した事がある。
日本古来の建築物は宇宙一だと褒められたな。
ウォルフ359星系とバーナード星系のいざこざに地球が巻き込まれた時は、少々手こずった。
まさかお寿司で仲直りするとは思わなかったよ。
今でも両星系からお寿司ツアーでたくさん日本に来ている。

今までいろいろあったが、次の満月まで後十日。
そろそろ月に戻ろうか…。



end
/ 1574ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp