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千分の一話噺

第80章 ミステリーゾーン


「今週のミステリーゾーンはこの小さな祠!
地元では古代人の遺跡って言われてるんですよ!」
リポーター役のタレントがテンション上げ目に祠を指差した。「はい、カット!」
ディレクターがカメラを止める。

不思議な場所を紹介する番組「ミステリーゾーン」、深夜枠ながらそこそこの視聴率を稼いでいた。

「先生、お願いします」
番組の名物専門家が呼ばれた。

小さいながらもローマ神殿の様な形をした祠だ。
その専門家(一応考古学者)が調べてみたが、見たこともない文字と水晶で作られた像が中に納められていた。
日本にある全ての神社とは異なる様式のこの祠は、いつの時代のものなのかさえ分からなかった。
「不思議ですねぇ
こんな祠は初めて見ますねぇ
多分、裏山を御神体とした山岳信仰でしょう」
背後の小さな山は“神の縄張り”と言われ地元の人は決して立ち入らない。
「では、裏山を調べてみましょう」
標高100mくらいの独立峰で綺麗な三角形をしている。
シルエットはまるでピラミッドの様に見える。
噂では山に分け入った者は帰って来ないと言われていた。
専門家とスタッフ数名が山に入って行ったが、戻って来ない上、一切の連絡が取れなくなった。
地元の警察に捜索を依頼したが、日暮れとなり捜索は翌日となった。
その夜、山の上に光る物体をカメラが捕らえた。


「ミステリーゾーン」
あなたの近くにもあるかも知れません。



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