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千分の一話噺

第776章 モンブランな彼女③


休み時間になるとクラスメートが俺と武内の周りに寄ってくる。
夏祭りの後の事を話すとみんなはざわざわしたが、その後は彼女に質問が集中し、俺は解放された。

放課後になると武内が「学校の周りを案内してよ」と言ってきた。
それに誠が乗っかった。
「文子ちゃん、俺も一緒に案内するよ」
「じゃあ、俺はいなくてもいいよな?」
「ダメよ、ちゃんと面倒見てね、委、員、長♪」
「だから、委員長って呼ぶな!」
俺と誠は学校から駅までのみんなが利用する店を案内した。

「ねぇ、一番近いドンキってどこなの?」
「…どんき?」
「ド、ド、ド、ドンキー♪のドンキ」
「ドンキなら2駅先だよ」
「じゃあ、次ドンキ行こ!」
「俺は行かねぇぞ」

俺達は駅から電車に乗った。
「委員長って本当に人が良いわね」
「そうなんだよ、祐司はお人好しなんだ」
「うっせぇ!…駅2つだから立ってくぞ」
シルバーシート以外は空いてなかった。
「…でも文子ちゃん、ドンキで何買うの」
「うん、寝袋!」
「「寝袋!?」」
俺と誠の声が揃った。
「私、寝袋じゃないと寝相が悪いから寝れないのよ」
「…文子ちゃん、変わってるね」
誠は苦笑いした。

(…こいつ、何者なんだ?
モンブランの時も変な事言ってたし…)

「そういえば、そろそろ満月だよな?」
「え?そ、そうね…」
武内は明らかに動揺してる。
「なんだよ?いきなり?」
「いや、武内とあった夜は新月だったんだよ」
俺は確信した。
こいつは俺と同類だ。

to be continued…


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