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千分の一話噺

第774章 モンブランな彼女


新学期が始まり、眠い目を擦って登校した。

「うぃーす」
教室にはほとんどのクラスメートが来ていた。
「…なんだよ祐司、そのしまりのない顔は?」
「うっせぇ、眠みぇんだよ」
俺の前の席には悪友の誠がいる。
「新学期なんだからシャキッしろよ」
「…別にそんなの関係ねぇだろ?」
「お前なぁ、一応クラス委員長だろ?
…ほんとに朝は機嫌悪いな」

キ~ンコ~ン、カ~ンコ~ン♪

始業式は暑さ対策から教室でリモート始業式が行われる。
担任がセッティングしている横に見慣れない女子がいた。

クラスメートがざわつく。
「…あの娘、…転校生かな?
すっげぇー可愛くね?」
誠が目をキラキラさせて振り向いた。
彼女はモデルのようなスタイルで輝いて見える。
「確かに可愛い…
でも、どこかで…」
俺は彼女を知っている気がした。

リモート始業式が終わると担任が彼女の紹介をする。
「今日から転校してきた武内文子さんだ
みんな仲良くするように!」
「武内…」
彼女が挨拶しようとした時、思い出した。
「ああーっ!!
あの時のモンブラン女!!」
俺は思わず大声を上げてしまった。

「幡野!静かにしろ!
…武内、挨拶はもういいからお前の席はあいつの隣だ
幡野、クラス委員長なんだから彼女の面倒見ろよ」
彼女は俺の隣の席に座った。
「よろしくね、委、員、長!」
「お前、転校生だったのか?」
「…まさか、あなたと同じ学校とは思わなかったわ」
彼女は悪戯っぽく笑った。


to be continued…



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