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千分の一話噺

第772章 海は男のロマンだ!


今年は早くから猛暑だから海開きが待ち遠しかった。

そして明日は待ちに待った海開きの日だ。

「よ~し!明日は海行くぞ!!」
俺はすぐに仲間に声をかけた。
「え~、この猛暑で浜辺にいたら死んじゃうよ」
「そうだよ、日焼けもしちゃうじゃん」
まったく乗り気がなかった。


「お前らなぁ、部活でグラウンド走ってる方が日焼けもするし死にそうにもなるだろ!」
俺達は陸上部だから、夏でもほとんど外で活動している。
「だから休みの日くらいエアコンの効いた涼しい部屋から出たくないんだよ」
「それに野郎ばっかりで海行っても面白くないじゃん」


「夏と言えば、海に水着美女だろ!
今、海に行かないでどうする!?」
俺は力説した。
「…あのなぁ、今のを女子に聞かれたらセクハラ扱いされるぞ」
「それに、美女がいたとしてもたわし頭(所謂スポーツ刈り)の俺達なんて相手にもされないよ」


「お前ら、青春は一度しかないんだぞ!
青春を謳歌しないでどうする!
俺達には陸上で鍛えたこの身体があるじゃないか!」
「今日も暑いんだからその暑っ苦しいの止めろ!」
「…分かった分かった、一緒に行くよ」
俺の粘り勝ちだ。


俺達は海開きのイベントに合わせて海水浴場に行った。
ウキウキ気分の俺達に待っていたものは…。

『本日、悪天候により海開きは延期となりました』

みるみる暗雲が立ち込め、雷鳴が轟き始めた。


end

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