第769章 予言で鰻重をゲット出来るか?
今年の始めに私は予言をしていた。
「今年の夏は去年より暑い!」
予言は当たっていた。
先月から真夏日や猛暑日続きで暑さが止まらない。
彼はもう短パンにタンクトップだ。
「ね、私の予言通りでしょ!」
「…何が予言だよ
温暖化が進んでるんだから、そんな事はみんな分かってるんだよ」
確かに温暖化だけど確実に去年より暑いと思うんだよね。
「じゃあ、今年の冬は暖かいっていうのもダメ?」
「予言とは言えないな
そんなの天気予報みたいなもんだろ?」
彼は肩をすぼめて両手を広げてみせた。
「え~、そうなの?」
「予言ってさ、普段じゃあり得ない事が起こるのを言い当てないと…
富士山噴火とか震災級の地震だとか…」
どっちも近い未来に起こるって聞いたことあるけど…。
「じゃあじゃあ、私に鰻重を奢らないと健一が不幸になるって予言は?」
「…逆なら予言として認めてやるよ」
「え~!?私が奢るの!?
そんなのあり得な~い!」
「じゃあ、予言はなしって事で割り勘だな」
健一に鰻重を奢らせる作戦は失敗に終わった。
end