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千分の一話噺

第739章 僅かな力


とあるボランティアに参加した。

大雨で川の堤防が決壊し街中が水浸しになった。
テレビのドローン映像では川から流木などが流れ出て家に突き刺さっている様子が映されていた。

水が引き復旧の為にボランティアが募集された。

床上浸水も多く、濡れて使えなくなった家財道具を処分するのに人手がいる。
行政は街中の片付けはするが、個人邸の片付けまではしない。
高齢者しかいない家などは自分では片付ける事もままならない。
そんな時に活躍するのがボランティアだ。
混乱を避けるため、今は災害があった地域の行政が募集する場合が多い。


タンスやテーブル、畳や家電など家の1階部分には日常的に使っている家具が多い。
テレビや冷蔵庫なども水浸しになり使い物にならなくなった。
「こりゃ、酷いな…
家の中まで泥だらけじゃないか」
水に押し流された家具は散乱し、泥や流木も流れ込んで酷い有り様だ。
この家の家主は高齢者で運び出された家具を呆然と見ている。

さすがに声も掛けられない。
周りを見ると他の家も似たようなものだ。
家具などはリサイクルショップで安く揃えられても、水に浸かった家はそうもいかない。
床や壁などの張り替えやドアや襖の交換など1階部分はほぼほぼリフォームしないといけない。
これからの事を考えると呆然となるのも当然だ。


せめて片付けだけでもボランティアが活躍しないと…。


end


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