第725章 成り行き任せの世の中に…
「最近、何か耳鳴りするんだよね」
「季節の変わり目だし、気圧の関係じゃない?」
「確かに春になったり真冬に戻ったりで気温差ありすぎだよな」
「体調も狂うわよ」
「食欲不振もそのせいかな?」
「それは食べ過ぎで太りすぎだからじゃない?」
「だって丸々してないと、みんなガッカリするじゃん」
「…でも、これ以上太ったら耳鳴りどころか本当に病気になるんじゃない?」
「大丈夫だよ、俺たちは定期的に検査してるしんだから…」
「体調は良いけど、私は目のクマがちょっとね
前から気になってるんだけど、エステに行くわけにもいかないでしょ?」
「そりゃあそうだろ、それにそれはクマじゃないんだから…
可愛いいんだから良いだろ?」
「でも、ほら、可愛いかもしれないけどお洒落じゃないわ」
「それがなかったらパンダって分からないだろ?
俺たちは熊だけど、見た目から可愛さが求められてるんだよ」
「…そうね
客寄せパンダって言葉があるくらいだから、愛嬌振り撒かないとね」
「そういう事…
人気が出たから保護されて、俺たちは絶滅から救われたんだ」
「人間って勝手よね
自分たちに害があれば絶滅させたり、利益になれば保護したり…」
「仕方ないよね、今の地球は人間が支配してるんだから…」
「人間に変わる支配者が現れたら私たちどうなるのかしら?」
「さあね?
…人間が滅びるくらいの相手なら地球も滅びるんじゃない?」
end