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千分の一話噺

第723章 病は気からと言うが…


「ハックション!!!」

この時期は鬱陶しくてしょうがない。
何だって花粉症なんてもんがあるんだか?
もう何年もみんなが苦しんでるのに未だに特効薬が出来ないなんて現代医学が聞いて呆れるな。

「さあ、治療を始めます」
新しい治療法があるからと紹介されて来たが、何か怪しげな診察室だ。
「…確かに重症ですね
まずはこれを嗅いで下さい」
アレルギーの測定結果を見て、香炉のような物を出された。
「…何ですか、これ?」
「アロマの一種で、精神を安定させます」
確かにこの匂いは落ち着くが、何で治療に精神安定が必要なのか疑問に思った。
しかし、そのうちに意識がなくなってしまった。



「ちらし寿司出来たよ」
そうか、今日はひな祭りだったな。
「パパ、早く食べようよ!」
娘が手を引っ張る。
雛飾りの前にテーブルを置いて、妻と娘と三人でテーブルを囲んでちらし寿司を食べた。

「パパ、天気良いから外で遊ぼ!」
娘が自転車に乗る練習を一緒にやった。
「後ろでちゃんと支えてるからおもいっきり漕ぐんだぞ」
公園を目一杯駆け回った。

ん?何にか忘れている様な…。



「……はっ!…俺は何を!?」
「気がつきましたか?すっきりしたでしょ?
最新の催眠治療で花粉症になる前の記憶を呼び起こし、アレルギーを抑制します」

そんなことで本当に治るのか?


end

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