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千分の一話噺

第717章 異世界アパート THE FINAL


正月休みは年末から涼子の家にお泊まりしている。
「綾子は実家に帰らなくって良かったの?」
「実家?暖冬って言っても大雪で埋もれてるし、涼子とおでんを食べながら人生ゲームしてる方が良いわ」
「なにそれ?」
涼子と笑いあった。

年が明けて初詣に行くと、新成人が晴れ着でお参りしている。
「私達もあんなに初々しい時があったわね」
涼子がしみじみと呟く。
「なに言ってんの?
私達だって、まだ人生ゲームの半分も来てないんだからこれからよ」
「なんか綾子、強くなったよね」
異世界《むこう》にいると生きてる実感が強いからね。

初詣が済んで涼子と別れアパートに戻った。
異世界《むこう》の衣装に着替えて異世界に飛んだ。
「…さて、こっちも新年なんだけど、特にイベントがないのよね」
以前、私が年末に提案したちょっとした年越しのお祭りは毎年続いているけど、冬の間はほとんど雪に埋もれてるから外でイベントはなかなか厳しい。

「アヤコ、今日も寒いわね
初夢って言うの見れた?」
外に出るとナタリーが声を掛けてきた。
「初夢?ああ…見れなかったわ」
年末にナタリーに初夢の話ししてたの忘れてた。
「そうなの?それは残念ね…」
「見れなくても別に何かあるわけじゃないしね
それよりナタリー、手袋はどうしたの?」
「なくなっちゃたのよ」
ナタリーは両手を擦り合わせている。
「ちょっと待ってて!」
すぐに部屋へ戻って手袋を持って出た。
「これ使って!こんなに寒くちゃ手が凍っちゃうよ」
「ありがとう!…今度何かご馳走するね」
「ご馳走………そうだ!お店で新年会やろうよ」
「…新年会?」
もちろん異世界《こっち》では新年会なんてない。
だから、みんなが楽しめるパーティーみたいなイベントがあれば寒い冬も乗り越えやすいと思うのよ。

異世界《こっち》で仲良くなった人達とこれからも楽しく過ごせると良いな。


end


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